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R24/ARC-5(BC946) その5 配線 [ARC5]

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ゲインコントロール、BFO on/off、ヘッドフォン端子  背面から電源 
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オリジナル               Cを換装
 Rは4個のモジュールに配置され、Cも0.05μFx3等まとめてブロックになっています。1本づつハンダ付けするより配線は簡単です。製造効率を考慮したのでしょう、よく考えられています。このモジュールをそのまま使ってRを入れ換え、Cのブロックはラグ板で代用します。
 スペースに余裕が無いのでR22,23を固定するアルミの棒は、ドリルでさらって外しました。BFOコイル、出力トランス、チョークを取り付けるとハンダゴテが入りません。それにしても集積度が高いです。オリジナルの雰囲気を尊重して、ブロック・コンデンサは、容量抜けが無かったら元に戻してみようかと考えています。WWⅡ当時の雰囲気、気に入っていますから。
 入手したARC5は、局発・混合の12K8欠品、検波・BFOの12SR7が6SR7、第2IFの12SF7(2極5極管)が12SK7に置き換わっています。R-24は12SF7、BC-946は12SK7なので、12SK7を使用します。
 回路図ニラメッコしながら、ボチボチやります。 
 
IFTのピン配置 
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タグ:ARC5 真空管

R24/ARC-5(BC946) その4 パーツ集め [ARC5]

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【水洗い】
アンモニアの希釈液がいいらしいですが、とりあえず水道水を流しながらタワシと歯ブラシでゴシゴシ。後は天日干しです(この季節には珍しく、気温が20度もあったし)。シャーシーはアルミなので、錆はあまり出ていません。バリコンは外し、減速機構のギアだけはアルコールで拭いて機械油を差しておきました。
 
【本体パーツ】
真空管、VC、コイル、IFT、T1、T4はオリジナルを流用し、CRはすべて入れ換えます。
・CR →抵抗はほぼ指定のものが入手可能。Cは、フィルム・コンデンサ、マイカコンデンサ、電解コンデンサを使います。回路図でMMFの表示がありますが、これはpFです。
Rは、R22,23が5W、それ以外は1/2W、Cは耐圧350Vのフィルムコンデンサ、C1、C3、C10、はマイカ、C5、C30、32は電解を用意しました。C11~14、C17~19、C21~23はIFT内蔵、C25、27、28はBFO内蔵で、オリジナルを使う予定。
・ OUTプット・トランス →300Ωにタップを変更し、8Ω変換用にST-42を追加します。
・真空管 →欠品の12K8は、入手可能なようです。6k8の方が汎用性があるかもしれません。できれば真っ黒なメタル管がいいです。
・ビス →ビスがたくさん欠けています。インチネジでしょうから、「ナニワネジ」に行けば何とかなりそうです。
 後は、ジャンクBOX総動員で何とかなるでしょう。

【電源】
200V50mA、12V2Aの手持ちのトランス(東栄)を充てます。ケミコンも20μFx2の手持ち。ダイナモのスペースに組み込めないので、残念ながら外付けです。

【 Xtalコンバータ(予定) 】
出来れば無線に使いたいので、クリコンを付けてBCとの2バンドを狙います。6MHzのXtalを使えば、6.5~7.5MHzがカバーできます。ついでに買ってきました。
《7MHZフィルタ →ミクサ← 6MHzOSC》という構成を考えています。あえてRFは付けません。1MHzカバーするためにはVCが要りそうです。真空管というのが正統派ですが、半導体で済ませま、ダイナモのスペースに組み込みます。バンド切り替え、スタンバイSWが必要ですが、その辺りはまた後で考えます(笑。
 
【改造というか付加】
8Ωスピーカの接続、ゲインコントロール、BFOのon/offが必要です。丁度”J1”が欠品ですから直接引き回しとなります。この3つは、フロントパネルに取り付けようかと思います。電源を供給する”J2”も欠品ですから、ソケットか何かをリアに取り付けます。 

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パーツも揃ったので、そろそろ配線を始めます。 


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R24/ARC-5(BC946) その3 修復準備 [ARC5]

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シャーシー内配線図               コイル
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バリコン周り配線                             真空管
 マニュアルに実体配線図が載っています。回路図と実体図があれば問題ないので、CRと配線を全部撤去しました。配線は、ピンに絡げてハンダ付けされているので、外すのは厄介です。CRもテスターであたったのですが、少し値が異なります。70年以上の歳月が経っているので当然でしょう。実は、Hallicrafters S-40というこれも60年以上前の受信機(ラジオ)を持っているのですが、これはリペアせずに立派に鳴っています。軍用ですから、案外70年前の部品でも稼働するかもしれません。
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 真空管ソケットはベークライトだと思います。コイルのソケット、どうもマイカ(雲母)のようで、いいパーツが使われています。
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 減速機構                      パッティング・コンデンサーもエアバリコン
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 国内で改造したようで、一部に日本製が使われています。VRは、「VARIOHM(製造NISHIMURA)」、マイカコンデンサは「昭和20年2月、日本無線」の標記があります。使うわけにはいきませんから、記念にとっておきます(笑。
 
 かなり汚れているので、天気のいい日に水洗いしようかと思います。ハンダコテを握るのはそれからです。 

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R24/ARC-5(BC946) その2 分解 [ARC5]

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 開腹しました。驚いたのは、RFコイル、IFTがプラグイン式になっていること。チューニングVC、コイル、IFTを変えれば、どの周波数の受信機にも転用が可能となる仕組みです。さすが軍用です。

【リペアの情報】
ARC-5 Manual →公式マニュアル(パーツリストP108)
Surplus_Radio_Conversion_Manual_Volume_1 →p62にBC-946B、p73にBC-453の記載
Surplus_Radio_Conversion_Manual_Volume_2 →P6~にBC-454、P59にBC-946B の記載
Surplus_Radio_Conversion_Manual_Volume_3 →P5~にBC453、455の記載
The ARC-5'er Power Supply →電源とアウトプットの改造
command_sets 1957 →p118~に受信機の改造記事
BC946 manual →詳しい部品表
73 janyuary 1962 P24 →P24にcommand set speakers
Arc5 convert →電源、スピーカ接続、BFO on/off、ゲインコントロールの記事
AN/ARC-5 Aligment Procedure(ベンチテスト)

 分かったことは、
・B電源は180V~230V、40mA。ヒーターは12V1.5A程度が必要
・OUTはT1のpin6で300Ωとなる
・ゲインコントロールはJ1のピン1(RFと第1IFのG)をVRでコントロールする
・BFOはピン5でon/offする

【分解】
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 C、トランス類、真空管              奥BFO、IFT 前RFコイル
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 C同調のIFT                    RFコイルの中身
 真空管が12SR7の代わりに6SR7でした。ヒーター電圧を6.3X2とすれば12V、6.3V両方使えるから問題なしです。オリジナルでない(日本製)CRが散見されます。いずれ全部入れ替える予定です。IFTもRGコイルもタイトボビンを使ったものでQが高そうです。
 構造(保守性)といい部品といい、さすがarmy仕様です。 

タグ:真空管 ARC5

Navigation Receiver R24/ARC-5(BC946) その1 入手 [ARC5]

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オリジナル
 勢いで変なものを落札しました。有名な”AN/ARC-5 ”の受信機、R-24(BC-946)です。

R-24(BC-946)の概略】
 ARC5の受信機はいろいろあるようです。
 BC-453  R-23/ARC-5  0.19 - 0.55MHz(IF85kHz)
 BC-946   R-24/ARC-5 0.52 - 1.5MHz(IF239kHz)  コレです
              R-25/ARC-5 1.5 - 3.0MHz(IF705kHz)
 BC-454 R-26/ARC-5  3.0 - 6.0MHz(IF1415kHz)
 BC-455  R-27/ARC-5  6.0 - 9.1MHz(IF2830kHz)
 この5台は(送信機も)、ほぼ同一回路同一構造で、アメリカ合理主義の権化のような通信機です。B-17やB-29に搭載されていたようです。1950~60年代には、放出品をアマチュア無線用に改造して使うことが盛んだったようで、回路図や改造記事は今でもネット上に沢山あります。

 回路図を見ると、高1中2のシングルスーパーで、BFOがあり、AFのボリュームの代わりにゲインコントロールです。IFは239kHz、電源に28Vのダイナモを使うため、ヒーターを2本直列接続にし、12Vのメタル管を使っています。

 12SK7(RF)→12K8(Mixsr)→12SK7(1stIF)→12SK7(2nd IF)→12SR7(Det、BFO)→12A6(AF)

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ダイナモは無い                   回路図

【現物到着】
 ワイヤーでコントロールされる同調ノブにはダイヤルが付き、ゲインコントロールと思われるVRも付いています。電源のインバーターはありません。Mixerの12A8、裏蓋が欠品。改造を途中で止めたのか、SG電圧を作る抵抗が無く、未配線のコードまであります。日本製のマイカコンデンサが付いていますから、国内で改造がなされたようです。
 真空管6本の高1中2としては、ずいぶんコンパクトな受信機です。

【メインテナンス】
 生産されて70年以上経ていますから、 どうせコンデンサは使えないと思いますから、CRと配線を全部外して、新しい部品で組み直した方が早そうです。
 ラジオにするには勿体ないので、何とかアマチュア無線に使ってみたいと思いますが、 一旦元のR24に戻し、中波ラジオとして稼働させた後に改造を考えたいと思います。

 ・電源です。B+は200V、40mA程度。ヒーター電圧の12Vは、6.3x2か6.3+5でなんとかなりそう。
 ・アウトプットのインピーダンス4kΩor300Ω。8Ωのスピーカーを鳴らすためには、もひとつトランス(ST32?)が必要。
 ・BFOのON/OFFスイッチも必要。

これで中波ラジオとなるはずです。

 短波受信機とするためには、クリスタル・コンバーターを付け、親機でチューニングを取れば何とかなりそうです。コンバーターを外せば、ラジオとしても使えて一石二鳥。

 ・クリスタル・コンバータを付ける6.8MHzのXtalを使えば7MHz専用受信機になる
 ・AFのボリュームも要る
 ・選択度をかせぐため、QマルチかAFフィルターを増設

このあたりでしょうか?。パーツ買いにいかねば・・・。


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